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季節感

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毎年毎年書いていることだけれど、この季節感の希薄さ、いったい何なのだろう。
年末といえば、1年の中でもっとも季節感を感じる最大の山場であるはずなのに、近年は年の暮れだの年越しだの年明けだのといった季節感が、全然ない。
この原因はいったい何なんだろうか。
難しく考えるまでもなく、その理由は既に誰もが分かっている。
季節ごとの微妙なグラデーションを大切にしてきた日本文化が、見事に平準化されて、1年中いつでも安定した生活を送ることができるようになっただけのことである。

高度経済成長以降の現代社会においては、安定した生活を得るため、我々は多くの不便を切り捨ててきた。
年中無休・24時間営業のコンビニの登場により、深夜でも正月でも、いつもの毎日の午後と何も変わらない生活を過ごすことが可能となったみたいに。
季節感とは、端的に言えば生活の中のグラデーションである。
便利と不便が濃淡を伴って浮いたり沈んだりするから、暮らしの中にも濃淡が生まれるのである。

昔の正月なんて、不便で仕方がなかった。
3が日といえば、本当に出かけるあてもなく、家で酒を飲むくらいの楽しみしかなかった。
その代わりに、正月にしか食べることのできない料理が、正月の酒を一層それらしくした。
これが生活の中の濃淡であり、季節感である。
安定した暮らしなどと言うと聞こえは良いが、つまりはいつでも同じ味のレトルト食品みたいな暮らしである。
どれもみな同じ色・形をした大量生産品みたいな暮らしである。
ちょっと不便には違いないけれど、暮らしの中の濃淡を暮らしの中の楽しみとすることができた昔の人がうらやましいとも思うのである。

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by kels | 2010-12-15 22:02 | 随想・日記 | Comments(4)
Commented by anglophile at 2010-12-16 11:59
こんにちは、古本万歩計です。
「季節感の希薄化」についてのお話、とても感じ入るものがありました。ふと気づいたのは、私はここ何年も「初詣」に行っておらず、年末年始はごくごく普通の休みとして過ごしていたことです。お節料理なども久しく口にしておらず、季節感の乏しい食べ物で間に合わせていた気がします。kels さんの言葉に触れ、「不便さ」から遠く離れてしまった今の自分の生活について思いをめぐらした次第です。
北陸も雪がちらつくようになりました。
Commented by kels at 2010-12-16 21:56
anglophileさん、こんにちは。
時々、思いつきで適当なことを書いていますので、軽く受け流してください(笑)
冬の北陸、いいですよね。
かつて2月の北陸をフラフラしたことがありますが、雪の金沢は忘れられません☆
Commented by wonderfullifewith at 2010-12-19 07:52
そうですよね。
大晦日の夜11時までスーパーが営業していて、正月の営業開始が元旦朝9時ですからね。

子供の頃、地元のお店が初売りするのも3日でした。
それまで子供は本当に退屈な時間を過ごしていたものですけど、あれがやっぱり「正月」ってものなんでしょうね。
Commented by kels at 2010-12-19 21:57
wonderfullifewithさん、こんにちは。
いやー、偉そうなこと書きながら、自分も元旦から喜んで出歩いている人間なわけなんですが(笑)
でも、もっと普段との違いがあってもいいなあとは思いますね~☆
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