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アナ・トレントの鞄

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どこの誰か知らないが、ドーナツの袋に延々と物語を書き継いだ男があった。
まるで新聞の連載小説のように。
推測では全部で258話になるはずだが、現存するものはその半分にも充たない。
男は毎日ドーナツ屋にあらわれ、ドーナツをひとつ注文し、持参した水筒で水を少しずつ飲みながら大切に食べた。
食べ終えると、ちびた鉛筆を取り出し、ドーナツの袋を引き裂いて、そこに物語を綴ってゆく。
二年間続けた。
わずかなお金で空腹を紛らわせ、同時にノート代を節約したのだ。

「アナ・トレントの鞄」クラフト・エヴィング商會(2005)

これ、欲しいなあ。


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by kels | 2010-09-28 22:03 | 旧・札幌日和下駄 | Comments(4)
Commented by イシダコウ at 2010-09-29 07:51 x
どんな物語か分からないだけ、気になるし、自分が作者に成り代われる楽しさもありますね。クラフト~、僕もよく読みます。「悪魔の辞典」のA・ビアスを彷彿させるので。
Commented by kels at 2010-09-29 19:51
イシダコウさん、こんにちは。
「悪魔の辞典」、小学生のときに買ってもらって読みました。
今読んでもおもしろいのかなあ☆
Commented by doronko-tonchan at 2010-10-01 05:07
こういう話は引き込まれます。
この本に出合えた人生に賛辞をお贈りします。^^
Commented by kels at 2010-10-01 21:27
doronko-tonchanさん、こんにちは。
ほんと、おもしろい本でしたね。
つい、いろいろな空想をしちゃいます(笑)
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