<< エゾハルゼミ 古いカメラ >>

モトジマ時計店

b0103470_6202663.jpg

山鼻電車通りから、ほんの少しだけ横の道に入ったところに、その古い時計店はあった。
いかにもレトロな外観は、いやが上にも期待を高めてくれる。
しかし、何かよほどの理由でもない限り、こういう小さな店というのは入りにくいものだ。
こういうときには、時計の電池交換に限る。
ただし、いくらかかるか分からない不安もあるので、まずは電池交換の値段を訊くだけにしようと思った。

ドアを開けると、目の前に受け付けというか作業台があり、予想通りの職人が寡黙に機械をいじっている。
いかにもヤバい雰囲気が、そこには漂っているような気がして、一瞬気後れしてしまった。
黙っているわけにもいかないので、持ってきた2つの腕時計を作業台の上に置いて、「電池交換はいくらになりますか」と訊いた。
その訊き方が悪かったのか、職人はいかにも不機嫌そうな声を出した。
「電池交換だって時計によって値段が違う。こっちのロンジンは良い時計だから手間賃も高い。ただ電池交換だけすれば良いってわけじゃないんだ」

僕は黙ってロンジンの腕時計をポケットの中に戻した。
「こっちのは、国産の大量生産の安物の機械だ。どこのメーカーでも、中にはセイコーの安物の機械が入ってる」
職人は、その安物の機械が、いかにも憎いように語調を強めた。
「電池だけ交換すれば良いってもんじゃない」
時計の裏蓋を開けると、彼は内部の清掃を始めて、最後に小さな電池を交換した。

「電池交換1,000円、清掃手数料500円、合計1,500円」
僕は黙って料金を支払い、腕時計を受け取った。
自分の腕時計の悪口を散々聞かされて、現在の腕時計業界のグチをたっぷりと聞かされて、すべてコミの1,500円。
古い時計屋が絶滅しつつある理由が良く分かった。


にほんブログ村 写真ブログ スナップ写真へ

↑↑↑↑↑↑
「ブログ村」への参加を始めました。1日1回、クリックをお願いします。
by kels | 2010-06-12 06:36 | 旧・札幌日和下駄 | Comments(2)
Commented at 2010-06-13 19:25 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by kels at 2010-06-13 22:21
通りすがりさん、こんにちは。
料金的には普通かなあと思いました。
(結局1個だけだったので、1つ1,500円)。
まあ、別にそんなに深い思いがあっての記事でもなかったんですが(笑)
<< エゾハルゼミ 古いカメラ >>