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カフェブーム

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最盛期に比べると、下火になりつつあると言われる札幌のカフェブームだが、ブームの先駆けとなった店が老舗へと変化していくなど、その熟成度はより高まっているような気がする。
ブームの影響を反映して、事業所数はピークを過ぎたけれども、内容的に円熟期を迎えているカフェが多いというのも、最近の傾向なのかもしれない。

買い集めてきた古いマッチ箱を眺めるたびに、1980年代というのは良い喫茶店を探すのが、なかなか大変な時代だったことを思い出す。
今、手元には1980年代に発行された札幌のタウンガイドみたいなものがいくつもあるけれど、喫茶店の項目は決して賑やかな内容にはなっていない。

たとえば、1983年発行の「札幌の味」(カラーブックス)で紹介されている喫茶店は、「雪印パーラー」「西の宮」「可否茶館倶楽部」「リヒト珈琲」「るびあ」「バナナボート」「穀物祭」「倫敦館」「方舟」といったところ。
また、1984年発行の「札幌青春街図」(プロジェクトハウス亜璃西)では、「可否茶館倶楽部」「イレブン」「北地蔵」「VIDERO」「るびあ」「テルサラサート」「アンセーニュダングル」「蔵人」「バナナボート」「倫敦館」などを始めとしてたくさんの喫茶店が紹介されている。

ところが、同じ「札幌青春街図」(プロジェクトハウス亜璃西)の1988年発行版では、紹介されている喫茶店の数がめっきりと少なくなり、喫茶店が時代の中心ではなくなっていることを印象づける。
そして、この喫茶店の暗黒時代は、カフェブームが到来する1990年代半ばまで続いていくことになるらしい。

考えてみれば、1杯数百円のコーヒーを提供している喫茶店経営が、それほど高い生産性を持つものではないことは確かだ。
1980年代前半まで、1杯300円のコーヒーを学生相手に提供するだけで、喫茶店はどうにか商売として成立することができた。

しかし、バブル景気に伴い、土地高騰の波が押し寄せると、300円のコーヒーだけで商売を続けていくことは難しくなる。
70年代から走り続けてきた店は次々と姿を消し、飲食店業界も単価の高い商売であるレストランを中心として成長するようになった。
バブルの時代に、街の中心部で、喫茶店として生き残ることは、そんなに簡単な話ではなかったことだろう。

やがて、バブル崩壊と平成不況が訪れ、客単価の低い商売が成り立つ時代が戻り、喫茶店の時代が再びやって来る。
そして、新たな喫茶店では、利益率の高いフードメニューの充実に力を入れるようになり、客単価を上げることで店を成長させた。

現在のカフェブームは、こうしたバブル崩壊という土壌の上で成立しているものであり、そこには、それぞれの店が持つ個性が大きく反映されている。
小さくても、個性をきちんと打ち出すことで、客が反応している時代なのだ。
そこには、もちろんインターネットの持つ新しい情報化時代の影響もある。
客のニーズに敏感に反応して、営業展開していくことが可能な時代になっていたのだ。

ブームの波に乗って登場しただけの店は、どこかで飽きられる可能性を持つ。
明確な主張と方向性を持つ店だけが、今後は生き残っていくような、そんなサバイバルの時代が札幌のカフェ業界にも訪れつつあるのではないだろうか。


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by kels | 2009-12-20 21:07 | カフェ・喫茶店 | Comments(2)
Commented by wonderfullifewith at 2009-12-21 09:06
「可否茶館倶楽部」「北地蔵」「倫敦館」「雪印パーラー」は何度もお世話になりました。
でも最近は「喫茶店で珈琲を飲む」って行為自体が減ってきたような聞がします。
Commented by kels at 2009-12-21 22:53
wonderfullifewithさん、こんにちは。
どれも老舗のお店になりましたね。
喫茶店で飲むコーヒーって、部屋で飲むコーヒーとはやっぱり違うような気がします☆
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