少し前の話になってしまうけれど、NHKの「SONGS」の矢沢永吉特集はおもしろかった。 音楽ばかりではなくて、若い世代とのトークの場面が非常に見応えがあった。 自分自身できちんと生きてきた人の言葉だから、浮ついたものではなく、どこかに説得力のようなものがある。 矢沢は、格差社会を「個人の責任」だと言い切る。 「頑張ったヤツと頑張らなかったヤツとが同等なんてオカシイ」と言い切る。 裸でスタートし、多額の借金を背負いながら這い上がってきた男の人生が、その背景にはある。 昔の日本人は、きっとみんなそう考えていた。 焼け跡の中から這い上がろうと、泥だらけになって血まみれになって働いている時代、誰が「格差社会」なんてことを主張しただろう。 「這い上がれなかったら終わりだ」という気持ちだけが、彼らを支え、ひいては日本という国を支えていた。 這い上がることこそが、戦後日本の生き様だったのだ。 今、我々は這い上がることを忘れた。 這いつくばって、泥だらけになって、血まみれになって働くことを、スマートではないと考えるようになった。 隣の人間と差が生まれることを、自分自身のせいではないと考えるようになった。 いつか、どこかで、誰かが助けてくれるだろうと、信じるようになった。 四つ足で這い上がらなければ、どうにもならないくらい、我々は泥まみれになっているのに。 おまえが探していた 夢の色 コバルトの空 ↑↑↑↑↑↑ 「ブログ村」への参加を始めました。1日1回、クリックをお願いします。
by kels
| 2009-08-23 21:23
| コラム・随想
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Comments(2)
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サラリーマンレポート
at 2009-08-23 23:47
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同じことを思うことがあります。確かにそうですね。格差を格差と思わずに違いと解釈することもできますし、そもそも他人と比較して自分を悔やむというのはマイナス迷路の入口かもしれません。矢沢永吉さんの言葉は深みと重みそして何より説得力があります。
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kels at 2009-08-24 22:29
サラリーマンレポートさん、こんにちは。
なにしろ、矢沢さんは自分の力で這い上がってきたという実績があるだけに、説得力があるんですよね。 トップミュージシャンは極端にしろ、誰だってそんな努力をできるはずだと思うのですが☆
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