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寒冷地住宅

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仕事で地方へ出ると、やはり古い建物が気になる。
分刻みのスケジュールがほとんどだから、自分の趣味のための時間なんてほとんど取れないけれど、それでも移動の途中なんかで気になる建物を見つけたりしたら、できるだけ写真に撮るようにはしている。

文化財価値のある歴史的建造物もいいけれど、人知れず消えていくだろうと思われる、小さな個人の民家にも、北海道の歴史はちゃんと刻み込まれている。
特に、戦後の寒冷地住宅としての北海道の民家の発展は、嫌でもノスタルジーを誘うものだろう。
明治の開拓以後、道民の願いは「寒くない住居」を手に入れることだった。
建築家たちは、北海道の冬を快適に過ごすための設計と闘い続けてきたといってもいい。

数年前に、札幌市内の古書店で手に入れたスクラップ・ブックは、どこかの建築家が集めたものらしく、寒冷地住宅に関する大量の資料とメモ書きが切り貼りされていた。
時代にして、昭和初期のもので、寒冷地住宅の完成が、道民にとっていかに悲願だったかを思い知らされたような気がしたものだ。

今、我々は真冬でも快適な暮らしを手に入れ、北海道の冬は内地の冬よりも暖かいといわれるようになった。
そして、ここに至るまでに存在した過渡的な多くの住宅たちは、既に忘れ去られようとしている。
忘れてはいけないものは、こういうところにもあるのだと、僕は地方へ出かけるたびにいつも思うのだ。


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by kels | 2009-04-26 18:39 | 随想・日記 | Comments(0)
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