小説を読むことがストレス解消になるなんて、ずいぶん久しぶりのことだ。

b0103470_6143996.jpg

年をとった給仕がそばを通りかかって、残り少なになったスカッチと水をながめた。
私が頭をふり、彼が白髪頭をうなずかせたとき、すばらしい「夢の女」が入ってきた。
一瞬、バーの中がしずまりかえった。
活動屋らしい男たちは早口でしゃべっていた口をつぐみ、カウンターの酔っぱらいはバーテンに話しかけるのをやめた。
ちょうど、指揮者が譜面台をかるくたたいて両手をあげたときのようだった。

「長いお別れ」レイモンド・チャンドラー/訳・清水俊二(1953年)

最近はとても忙しい。
おそらく、時間的な酵素き時間以上に忙しいはずだ。
仕事をしていないときにも、仕事がのしかかってくる。

もちろん、職業人であれば、そんなことは珍しいことではない。
仕事のことばかり考えながら死んでいく人生なんて、世の中にいくらでもある。
生きるということは、働くということと同義語であるとさえ言っていい。

週末になると、死んだようになって身体を休めている。
せいぜいコーヒーを飲んで本を読むくらいのものだ。
とてもじゃないけれど、写真を撮って歩きまわるだけの力がない。

結果として、小説を読む時間ができた。
せっかくだから、古いハードボイルド小説を読み返してみようと思う。
最初に手にとったのが「長いお別れ」だった。

小説を読むことがストレス解消になるなんて、ずいぶん久しぶりのことだ。


にほんブログ村 地域生活(街) 北海道ブログ 札幌情報へ
にほんブログ村
↑↑↑↑↑
「にほんブログ村」に参加をしてみました。
1日1回のクリックをお願いいたします!
# by kels | 2016-06-19 20:57 | 文学 | Trackback | Comments(0)

松浦弥太郎さんが飲んでいるインスタントコーヒーの銘柄が気になる。

b0103470_6503693.jpg

朝はインスタントコーヒーを飲む。
ドリップ式でコーヒーをいれる道具もあるが、朝は余程気が向かないと使わない。
マグカップはこれと決めているものがある。

「くちぶえカタログ」松浦弥太郎(2005年)

考えてみると、随分長いことインスタントコーヒーを飲んでいない。
インスタントコーヒーを飲む機会がないのだ。
インスタントコーヒーを飲む必要がないとも言える。

コーヒーを飲むときは、お湯を沸かして、豆から挽いて、ハンドドリップで淹れたやつを飲む。
時間にして10分もかからないのではないだろうか。
その時間もないようなときには、そもそもコーヒーを飲まない。

特別なこだわりがあるわけではないと思う。
コーヒーを飲むということは、つまり、そういう習慣と同一のものだった、というだけのことだ。
インスタントコーヒーを飲もうという発想にもならなかった。

今は、弥太郎さんが飲んでいるインスタントコーヒーの銘柄が気になる。


にほんブログ村 地域生活(街) 北海道ブログ 札幌情報へ
にほんブログ村
↑↑↑↑↑
「にほんブログ村」に参加をしてみました。
1日1回のクリックをお願いいたします!
# by kels | 2016-06-11 07:11 | カフェ・喫茶店 | Trackback | Comments(0)

ほとんどの本を処分したけれど、古いハードボイルド小説だけは残した

b0103470_6221975.jpg

わかってるかい。ぼくはうそつきだ。
ぼくの小説に出てくる男性は8フィートも身長があって、女性はひざを高くして寝ているために尻の皮膚がかたくなってる。
レースとひだの飾り、剣と馬車、優美と有閑、決闘とはなやかな死。
みんな嘘だ。

「長いお別れ」レイモンド・チャンドラー(1953年)

ミニマリストを目指して断捨離をしている。
既に、10,000冊以上の本を処分した。
すべて古本屋が、子どもの小遣い銭みたいな金を置いて、トラックで運んでいった。

本なんて本当に財産にならないものだと思う。
もう二度と本なんて集めないと、硬く誓った。
本は知識の財産であって、溜めこんで喜ぶものではない。

ほとんどの本を処分したけれど、古いハードボイルド小説だけは残した。
もしかすると、僕がいちばん好きなものは、古いハードボイルド小説なのかもしれない。


にほんブログ村 地域生活(街) 北海道ブログ 札幌情報へ
にほんブログ村
↑↑↑↑↑
「にほんブログ村」に参加をしてみました。
1日1回のクリックをお願いいたします!
# by kels | 2016-06-11 06:47 | 本・雑誌・古書 | Trackback | Comments(2)

コーヒーを飲むためだけであれば、自宅でコーヒーを淹れても同じことだ

b0103470_19434011.jpg

ぱっと一段明るい珈琲店(カフェ)の前に来たら、渦の中へ巻き込まれるようにその姿がすっと消えた。
気がついたら、僕も大きな珈琲店の大理石の卓(つくえ)の前に腰をかけていた。

「珈琲店より」高村光太郎

休日は喫茶店でコーヒーを飲むことが多い。
もちろん、喫茶店はコーヒーを飲むためだけの空間ではない。
コーヒーを飲むためだけであれば、自宅でコーヒーを淹れても同じだからだ。

毎週のことだから、お気に入りの喫茶店はいくつかある。
だからと言って、いつも同じ店へ通うというわけにもいかない。
週末カフェの難しいところが、そこにある。

行きつけの店へ通いながら、新しい店を少しづつ発掘する。
歩かなければ新しい店との出会いはない。
そして、新しい出会いがなければ、週末カフェの楽しみも消えうせてしまうだろう。

ルーティン。
非日常を求める週末カフェが日常になることを、僕は何より恐れている。


にほんブログ村 地域生活(街) 北海道ブログ 札幌情報へ
にほんブログ村
↑↑↑↑↑
「にほんブログ村」に参加をしてみました。
1日1回のクリックをお願いいたします!
# by kels | 2016-06-05 19:57 | カフェ・喫茶店 | Trackback | Comments(0)

そういう意味で、ブルックスブラザーズのボタンダウンシャツは完璧だ。

b0103470_19311456.jpg

ブルックスブラザーズのオックスフォード。
長そでのボタンダウンシャツ。
それは自分が十七才の時、初めて袖を通したアメリカだった。
カラーのボタンを外し、洗い立てをノーアイロンで、前ボタンをふたつ外して、袖をふたつ折るのがウディ・アレンの着こなしと知り、毎日そのとおりに着こなした。

「くちぶえカタログ」松浦弥太郎(2005年)

すべてのものにはエピソードが必要だと、僕は思う。
それが、日常的に身に付けるものであれば、なおさらだ。
エピソードのないものは、つまり、魅力も乏しい。

そういう意味で、ブルックスブラザーズのボタンダウンシャツは完璧だ。
豊富なエピソードと疑いのない魅力に溢れている。
長い歴史の裏付けが、それを証明してみせる。

魅力的なシャツには魅力的な物語が隠されている。
そういうことだ。

にほんブログ村 地域生活(街) 北海道ブログ 札幌情報へ
にほんブログ村
↑↑↑↑↑
「にほんブログ村」に参加をしてみました。
1日1回のクリックをお願いいたします!
# by kels | 2016-06-05 19:41 | ファッション | Trackback | Comments(4)